はじめに:「家を買っても、借りても、最後はボロくなる話」
賃貸か持ち家か。
これは、資本主義社会に住むすべての人類に課せられた「選択ゲーム」です。
けれど、どちらを選んでも、現実はシンプルです。
家は壊れる。絶対に。
リフォーム業をしていると、10年、20年、30年と経った家たちが、
みんな似たようにボロくなっていくのを見ます。
持ち家だろうが、賃貸だろうが、関係ありません。
この「壊れる運命」を前提に、賃貸・持ち家論争をぶった斬りつつ、
リフォーム屋の目線で現実的な提案をしていきましょう。
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第1章:「賃貸派」の言い分はこうだ
- 縛られたくないから賃貸!
→いつでも引っ越せる。身軽。最高。 - 地震が来ても、修理費は大家持ち!
→災害リスクを背負わない。お得。 - 資産価値なんて不確か。借りたほうが得!
→人口減少社会では家の価値は下がる一方。
【リフォーム目線のツッコミ】
→いや、賃貸物件もどんどん劣化します。
リフォームも必要ですが、その費用は賃料にこっそり上乗せされています。
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第2章:「持ち家派」の言い分はこうだ
- 家賃を払っても資産にならないから買う!
→住宅ローン完済後は、無敵状態になる。 - DIYできる自由がある!
→壁に穴を開けても怒られない。 - 最悪、売ったり貸したりできる!
→出口戦略もバッチリ。
【リフォーム目線のツッコミ】
→いやいや、家を売るならまずリフォーム必須です。
ボロいままだと、誰も買いません。
そして、築20年を超えると資産価値は限りなくゼロに近づく。
ほぼ土地の値段だけ。
「資産」というより「負債」に化けることも…。
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第3章:「見えないコスト」の話
ここが子供でもわかる、大切なポイントです。
賃貸も持ち家も、表に見えるコストだけでは判断できません。
実は、どちらにも「見えないコスト」が、静かに、じわじわと襲いかかってきます。
たとえば、賃貸の場合。
毎月の家賃を払っているだけに見えますが、「更新料」や「仲介手数料」といった名目で、まとまったお金が飛んでいきます。
また、家賃の中には実は「リフォーム代」も密かに含まれていて、大家さんが物件をメンテナンスするための費用が、きちんと回収されています。
一方、持ち家の場合。
住宅ローンの毎月返済がメインの支出ですが、それだけでは終わりません。
契約時には「登記費用」や「融資手数料」など、まとまった初期費用がかかりますし、住み続ける限り「固定資産税」という税金を毎年払い続けなければなりません。
そして、最大の違いが「修繕費」です。
賃貸なら、家の中の小さなトラブル(例えば水漏れやエアコンの故障)は基本的に大家さん負担ですが、持ち家の場合、それはすべて自分のお財布から出ていきます。
外壁の塗装、屋根の防水、設備の交換…。
築10年、20年と経つにつれ、メンテナンス費用は無視できない金額になります。
さらに、賃貸の場合は引っ越しを繰り返すたびに、敷金・礼金・引っ越し代が必要です。
持ち家の場合は引っ越す頻度は低いですが、その代わり、建物自体が劣化するのでリフォームが必要になります。
つまり。
賃貸を選んでも、持ち家を選んでも、
「カネは出ていく」という運命に、私たちは逆らえません。
違うのは、
誰に払うか(大家か、自分か)、
いつ払うか(家賃としてか、リフォーム費用としてか)
だけなのです。
この「見えないコスト」を理解せずに、
「賃貸は損だ!」「持ち家は資産だ!」と叫ぶのは、
まるで、タイムボム(時限爆弾)を抱えたまま走るようなものです。
家とは、いつか確実にコストを要求する存在。
その現実を直視した人だけが、後悔の少ない選択をできるのです。
つまり、どちらにしてもカネは出ていくのです。
ただ、払う相手が違うだけ。
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第4章:「リフォーム業者の視点」から見る現実
ここから本質です。
リフォーム業者の立場から言わせてもらうと、
どんな家でも10年ごとにメンテナンスが必要です。
• 外壁の塗装
• 屋根の防水
• 床下のシロアリ対策
• 配管の交換
• 設備機器(エアコン、給湯器など)の更新
これらを放置すると、
家は「資産」どころか「爆弾」になります。
賃貸物件も、実は裏で大家さんがリフォームしています。
だからこそ、「賃料にリフォーム代がこっそり入っている」わけです。
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第5章:「住み方」で人生は決まる?
ここで視点を変えましょう。
賃貸か持ち家か、という二択にこだわるのは時代遅れです。
大事なのは、
「どんな暮らしをしたいか」です。
• 転勤族なら賃貸
• 地域に根付きたいなら持ち家
• 少人数なら小さい家
• 自然の近くで暮らしたいなら田舎の戸建て
住まいは、人生戦略の一部。
そしてその人生戦略には、
リフォームというメンテナンス戦略が絶対に必要です。
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第6章:リフォームという「最後の武器」
ボロ家になっても、リフォームすれば甦ります。
• 外壁を塗り替えればピカピカ
• 断熱リフォームで冬も暖かい
• 水回りを一新すれば快適生活
実際、リフォームした家は見違えるほど価値が上がります。
新築時のピカピカ感を取り戻すこともできる。
しかも、建て替えよりコスパがいい。
だからこそ、賃貸でも持ち家でも、
リフォームを前提に考えるのが一番現実的です。
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第7章:「賃貸vs持ち家」という不毛な争いを超えて
まとめます。
• 賃貸も持ち家も、どっちもコストはかかる
• 賃貸は「払うだけ」、持ち家は「壊れるのを直し続ける」
• どっちを選んでも家は壊れる
• リフォームをうまく使えば、壊れる速度をコントロールできる
つまり、「賃貸か持ち家か」じゃなく、
「壊れることを前提に、どう付き合うか」が本当の問いなのです。
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結論:「住まいは”消耗品”です。」
「賃貸か持ち家か?」と悩んでいる皆さんへ。
そのどちらも、
いずれ壊れていく消耗品です。
だから、
消耗する前提で、賢くリフォームして、上手に使い倒す。
それが、これからの住宅との付き合い方。
大人の選択とは、
「完璧なもの」じゃなくて、 「壊れながらも育てていけるもの」を選ぶことです。
家も、人生も、同じですね。

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